父親との問答|大変な道のり|僕と自動車保険の物語

自動車保険に入ることは、ドライバーの義務だと思います。

自動車保険に入るのに何でそんなに大変だったかというと、それは父親の存在。父は「自動車保険のことを理解してからじゃなきゃ加入しちゃダメだ」といい、最初に僕にお題を与えた。「なんで自動車保険に入らなくてはならないのか、お前なりに調べて回答を持ってこい」と。僕はその場で「事故を起こしたら大変だからでしょ」と答えたのだけど、父は「そんな浅い回答では駄目だ」と一蹴。なんて面倒なことになってしまったんだと思いながらも、早く父親を説得しなければ車に乗れないので頑張ることにしました。 僕が最初に行ったのは大学の図書館。図書館に行けば自動車保険関連の本は揃っている。その中にはきっと父親が求める回答も載っているだろう。図書館につくとさっそく自動車保険関係の本を探してみることにしました。図書館の係の人に訪ねると場所を教えてもらえたのですぐに目的のコーナーは見つかりましたが、残念ながら自動車保険をわかりやすく解説してくれる本はなくて、交通事故の事例とか、示談の方法についてとか、保険論などの教科書的なものしか置いてありません。まあ、大学の図書館だからしょうがないかと、難しそうな本をパラパラとめくり始めました。そして日も傾き、保険が相互補助の考えから生まれたことや、保険料を納めて、それがどのように保険金として分配されるかとか、教科書的な内容はすこし判ってきたけど、この分でいくといつになれば父親に回答を示せるのか心配になる。肩を落としながら図書館から帰る最中、僕は道路の脇で花を手向けて拝んでいる人を見かけました。「どうしました?」と声をかけると、「実は交通事故で娘を亡くしまして、今日がその命日なんです。」と。詳しく話を聞くとこの道を娘さんが歩行中にスピードを出した車にはねられたそうで、犯人はそのまま逃走してまだ見つかってないそうです。いわゆるひき逃げ事件ということですが、犯人も判らないから自動車保険の適用にもならず泣き寝入りするしかない状況だそうです。沖縄県内では無保険車のドライバーが多く、無保険車の場合は損害賠償を払うことができないから逃走するケースも多いようです。本当に気の毒な様子でした。

今日図書館で調べたところによると交通事故によって年間で5,000人近くの死者が出ているということでした。決して少なくはないこの死者数と、さらにその事故によって悲しみにくれる被害者家族のことを思うとやり切れない気持ちになります。通常、この娘さんのように交通事故で死んでしまった場合には、加害者から数千万円から数億円の損害賠償が払われるはずです。もちろん自腹で払うことはできませんから、自分が加入した自動車保険から保険金が支払われるというわけです。でも、この娘さんの場合はせめてもの慰めだけれども保険金さえももらえないし、犯人も見つからない。本当に気の毒でなりません。 何と声を掛けていいかわからず「頑張ってください」とだけ言って僕はその場を去りました。 家に帰ると父親がいて僕に「答えはわかったか」と聞いてきました。僕は「まだ細かい意味は判らないけど、交通事故を起こした時に損害賠償も払えず、おびえて逃げるなんてことは僕はしたくないし、交通事故で悲しみにくれる人に対して、きちんと誠意を払えない人生なんて最悪だ。自動車保険に入る意味は、車を運転するうえでの最低限の義務なんだと思う」と答えました。すると父は、「ふむ、少しはわかったみたいだな」といって、「次は自動車保険のプランを考えてこい」と次のお題を出しました。どうやら最初のお題はクリアーしたようだけど、いったいいくつ課題があるのか先が思いやられます。